[ニューヨーク 31日 ロイター] – 米ニューヨーク州大陪審に30日起訴されたドナルド・トランプ前大統領(76)は、来週4月4日に罪状認否のために出頭する見通し。米大統領経験者が起訴されるのは初めて。トランプ氏は次期大統領選への出馬を表明しており、選挙への影響も注目される。

起訴はトランプ氏が不倫相手のポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんに口止め料を払ってもみ消しを図ったとされる疑惑に絡むものだが、詳しい起訴内容はまだ不明。CNNは30日、30件以上の罪状で起訴されたと報じている。

ニューヨークの判事は31日、マンハッタン地区検察のアルビン・ブラッグ検事に罪状の公表を許可したが、公表される時期は明らかになっていない。

トランプ氏は電子メールで「私はこれから起こることを恐れていない」と言明し、起訴されても選挙活動を続ける考えを鮮明にした。

また、法律の専門家によると、裁判が行われる可能性は少なくとも1年先のため、大統領選挙中もしくはその後になる可能性があるという。

トランプ氏の弁護士らはロイターに対し、トランプ氏は罪状認否で無罪を主張するとし、「トランプ氏には戦う準備ができている」と明らかにした。トランプ氏は出頭の際、検察側との合意に基づき手錠はかけられないほか、保釈金を支払わず釈放される公算が大きいという。

バイデン大統領は31日、トランプ氏の起訴についてコメントを避けた。

起訴を巡り「史上最高レベルの政治的迫害と選挙妨害」というトランプ大統領のコメントを受け、議会共和党の幹部や有力候補らも民主党による司法制度の武器化と非難し、トランプ氏を擁護する姿勢を示した。

ペンス前米副大統領は、トランプ氏の起訴が世界に米司法について「ひどいメッセージ」を送ることになるとし、「世界の独裁者や権威主義者が自国の司法制度の乱用を正当化しかねない。そうした状況を非常に不安に感じる」と語った。

先週発表されたロイター/イプソスの世論調査によると、トランプ氏が起訴された場合、選挙から降りるべきと回答した共和党員は約44%となっている。

関係筋によると、来週のトランプ氏出頭に先立ち、マンハッタン裁判所近辺の道路は閉鎖される計画。トランプ氏が18日に支持者らに抗議を呼びかけて以来、裁判所周辺の警備は強化されたが、31日時点では騒動や抗議活動の兆候は見られないという。

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