▽米2月求人件数63.2万件減の990万件、約2年ぶり低水準<ロイター日本語版>2023年4月5日12:38 午前

[ワシントン 4日 ロイター] – 米労働省が4日発表した2月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が63万2000件減の990万件と、2021年5月以来、約2年ぶりの低水準となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は1040万件。労働市場が冷え込みつつある可能性が示唆された。

1月の求人件数は1060万件と、従来の1080万件から下方修正された。

BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニア・エコノミスト、ジェニファー・リー氏は「雇用市場の冷え込みを示す新たな兆候だ。賃金需要に下方圧力がかかり、ひいてはインフレが低下する可能性もある」と指摘。「ただ、労働市場はまだ米連邦準備理事会(FRB)が一歩引いて冷静になれる段階にはない」と述べた。

求人件数は、専門・ビジネスサービス業で27万8000件減、医療・社会扶助分野で15万件減、運輸・倉庫・公共事業で14万5000件減となった。

一方、建設業では12万9000件増、芸術・娯楽・レクリエーションで3万8000件増となった。

求人率は1月の6.4%から6.0%に低下した。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「労働市場は、3月に銀行危機が経済を襲う前から勢いを失い始めており、企業がコストを抑制するのに苦労する中で、信用状況の厳格化が今後数カ月の間にレイオフを促す可能性がある危険な状況を作り出している」と述べた。

採用件数は1月の630万件から620万件に減少。採用率は1月の4.1%から4.0%に低下した。

自発的な離職件数は14万6000件増の400万件。専門・ビジネスサービス業で約11万5000件増、宿泊・飲食サービス業で9万3000件増、卸売業で3万1000件増、教育サービス業で1万8000件増となった一方、金融・保険業では3万9000件減少した。

離職率は2.6%。1月は2.5%だった。

レイオフ・解雇件数は21万5000件減の150万件だった。

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