▽米、機密文書流出元の特定急ぐ 米国人が関与との見方も<ロイター日本語版>2023年4月10日7:44 午前

[ワシントン 9日 ロイター] – ウクライナの防空体制やイスラエルの情報機関「モサド」に関する重要情報など、米国の軍事・情報機関の機密文書がインターネット上に公開された問題で、米政府の当局者らは流出元の特定を急いでおり、専門家や米当局者の間には米国人が関与したとの見方がある。

当局者らによると、漏えいした文書がウクライナでの戦争や中国、中東、アフリカなど幅広い内容を網羅していることが、同盟国ではなく米国の人物がリークした可能性を示唆しているという。

元米国防総省高官のマイケル・マルロイ氏はロイターに対し「文書の多くは米国のみが管理していたため、焦点は米国によるリークかどうか」と語った。

ただ、当局者らによると、調査は初期段階にあり、親ロシア派が関与した可能性も排除していないという。

文書漏えいが判明して以来、ロイターは「ディスコード」、「4チャン」をはじめとするソーシャルメディアで先月以来公開された「機密」あるいは「極秘」と記された50件以上の文書を精査した。文書の一部は何週間も前に投稿されていたが、その存在は7日に米紙ニューヨーク・タイムズが初めて報じた。

米国防総省は9日の声明で、写真データとして公開された「機密や極秘の内容を含んでいると見受けられる」文書の真偽を検証していると説明。同省の付託で司法省が刑事捜査を開始したという。

ウクライナの「S300」地対空ミサイルの在庫が現在の使用率では5月2日までに枯渇するとする2月23日付の文書や、イスラエルのモサドが司法制度改革への抗議を促しているとする3月1日付の米中央情報局(CIA)からの報告が含まれている。

CIAの報告は、米政府が電波信号の傍受による情報活動でモサドに関する情報を得たとしており、米国が中東の最も重要な同盟国の一つであるイスラエルに対する情報活動を行っていたことを示唆している。

イスラエル首相府は9日、文書の主張内容は間違いで、何の根拠もないと一蹴した。

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