- マスク氏がツイッターをどうしたいのかを巡り、さまざまな臆測
- ツイッター買収は「万能アプリ」構築への動き加速させると示唆
米ツイッターが、新たに設立されたシェルカンパニーのX社に統合され、独立した企業としては存在しなくなったことが分かった。イーロン・マスク氏が今後ツイッターをどのような存在にしたいのかを巡り、さまざまな臆測が広がっている。
カリフォルニア州での訴訟に関して裁判所に提出された4日付の文書には、X社と合併したことでツイッター社は「もはや存在しない」と記されている。この訴訟は、保守派アクティビストのローラ・ルーマー氏が昨年、ツイッターと前最高経営責任者(CEO)のジャック・ドーシー氏を相手取り提起した。
この変化がツイッターにとってどのような意味を持つかは不明だ。マスク氏は以前、ツイッター買収は自身が「万能アプリ」と称するXの構築に向けた動きを加速させると示唆していた。マスク氏は今回の動きについて11日、「X」と一文字だけツイートした。
マスク氏はXについて、中国テンセント・ホールディングス傘下のソーシャルメディア微信(ウィーチャット)のようなものにしたいとこれまでに明言している。ウィーチャットでは、支払いやイベントのチケット予約、メッセージ送信などさまざまなことが可能だ。ただマスク氏は、電気自動車(EV)メーカーのテスラや宇宙開発企業スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)など多くの異なる事業の中でXをどのような位置付けにするのかについて明確な意思表示をしていない。
ブルームバーグ・ニュースはツイッターにコメントを求めて質問を送ったが、これまで返答はない。ツイッターには、メディアからの質問に対応するチームがもはや存在しない。カリフォルニア州での訴訟でツイッターの代理人を務める法律事務所ウィルキー・ファー・アンド・ギャラガーからもコメントは得られていない。
マスク氏のツイートは数時間で表示回数が1300万を超え、それがどのような意味を持つのかについてさまざまな臆測が飛び交った。日本では「Twitter消滅」がトレンド入り。また日本法人が「Twitter Japan」から「X Japan」になると話題になり、ロックバンド「X JAPAN」もトレンドワードに上がった。
原題:Twitter Becomes X Corp as Musk Advances ‘Everything App’ Hopes(抜粋)