[ワシントン 12日 ロイター] – 日銀の植田和男新総裁は12日、訪問中のワシントンで会見し、物価高への対応が遅れるリスクよりも、時期尚早に金融緩和を終了して2%のインフレ目標が未達になるリスクに日銀はより注意を払うべきだと述べた。
植田総裁は鈴木俊一財務相と共に、日本が議長国を務める主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席。植田氏はその後の会見で、日本の物価について「今年度半ばにかけて2%を下回る水準に低下していくとみている」とG7各国に説明したことを明らかにした。植田氏は「物価安定目標の持続・安定的な実現を目指して金融緩和を継続すると申し上げた」と語った。
インフレ率が非常に高い海外の多くの国に比べて日本の状況は大きく異なるとの認識も示した。
緩和策の長期化によって、高インフレリスク対応で日本が後手に回る可能性があるのではないかと記者から問われたの対し、可能性としては否定しないと述べた。
最近の米欧の銀行業界の混乱については、G7当局が影響波及を防ぐために適切な措置を講じてきたとした上で、不確実性の高まりに警戒する必要性も指摘した。
国際的な銀行規制「バーゼル3」は必ずしも完全に実施されていないとし、確実に実施を図る必要があると語った。