[25日 ロイター] – 米新興企業オープンAIは25日、同社が手がける対話型人工知能(AI)「チャットGPT」にユーザーが個人情報を管理できる機能を導入したと発表した。
この機能によれば、ユーザーは「チャット履歴・トレーニング」のセッティングを解除し、自分のデータを取り出すことができる。
チャットGPTなどの対話型AIに対しては、膨大なユーザーのデータがAIの性能向上のために集められて利用されることへの懸念が高まっている。
イタリア政府は先月、個人情報保護規制に違反する可能性があるとの理由でチャットGPTの利用を禁止し、オープンAIが適切な対応策を講じれば利用再開を認めるとの決定を下した。
オープンAIのミラ・ムラティ最高技術責任者はロイターに、同社は欧州の個人情報保護規制を順守しており、現在規制当局を安心させるための努力をしているところだと説明。今回の機能導入は、イタリアの利用禁止を受けた動きではなく、あくまでデータ収集に関してユーザーに主導権を握ってもらう数カ月前からの取り組みの結果だと強調した。
ムラティ氏は「われわれはユーザーのプライバシーを優先する方向で前進を続ける」と述べた。
オープンAIは、数カ月中にチャットGPTの企業向け定額利用サービスも開始する予定で、このサービスでも会話履歴が自動的にAIの学習に利用されることにはならないという。