【カイロ時事】アフリカ北東部スーダンでは、29日も正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が続いた。両者の停戦は28日に72時間延長されたが、その後も衝突はやまず、西部ダルフール地方では情勢が一段と不安定化している。15日の衝突発生から2週間がたつ中、事態収拾の兆しは見えていない。
首都ハルツームでは、29日も空爆の音や砲撃音が響いた。RSFは28日、ハルツーム州の9割を掌握したと主張。ロイター通信は、首都に展開するRSF部隊に軍が戦闘機やドローンで空爆を加えていると伝えた。
軍は26日、南スーダンの首都ジュバでRSFと和平協議に入ることを軍トップのブルハン統治評議会議長が暫定的に承認したと発表した。英BBC放送は28日、RSFのダガロ司令官が電話取材に応じ、交渉の条件として戦闘の停止を挙げ、「敵対行為をやめよ」と軍に要求したと報じた。
一方、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官は28日、ダルフール地方のジェネイナで民族衝突が報告され、24日以降だけで96人が死亡したとみられると発表した。報道官は、軍とRSFとの戦闘が別の衝突を引き起こしていると指摘し、暴力激化の重大な危険があると懸念を表明した。
スーダン保健当局によれば、軍とRSFの衝突発生以降、512人が死亡、約4200人が負傷した。在留外国人の国外退避に加え、多数のスーダン市民が周辺国などに脱出。国際移住機関(IOM)の推計では、国内でも7万5000人以上が住居を追われ避難民となっている。