[ワシントン 1日 ロイター] – 世界銀行は1日、最大180カ国のビジネス環境を評価する新たな年次報告書「Business Ready」を来春公表すると発表した。アジア、ラテンアメリカ、欧州などの54カ国を対象にパイロット版を発行し、その後拡大する。
世銀の事業環境報告を巡っては、2021年9月に「ビジネス環境の現状(Doing Business)」が不正データ問題で発刊停止になった。世銀幹部らがスタッフに圧力をかけてデータを改ざんし、中国を優遇していたことが判明。また、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アゼルバイジャンなどに有利になるようデータ不正があったという。
世銀は新たな報告書について、国の事業と投資環境を評価する上でよりバランスが取れた透明性の高い手法を採用したと説明。世銀の専門家、政府、民間企業、市民団体からの提言によって策定され、国際労働機関が定義する労働者の権利も初めて盛り込んだ。
世銀担当者によると、データの透明性を確保するため、民間企業や起業家、企業オーナー、経営者を対象とした調査から収集したデータを全て公表する。