[国連 8日 ロイター] – 北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を巡り、米国が国連安全保障理事会で呼びかけている北朝鮮非難の議長声明策定に向けた協議が停滞しているもようだ。複数の外交筋は、常任理事国の中国とロシアが話し合いへの参加を取りやめていると明かした。
ロイターが確認したところでは、米国が提出した議長声明原案は「安保理は緊張のエスカレートがもたらす事態に重大な懸念を示し、北朝鮮にICBMないし他の弾道ミサイル発射、もしくは核実験を控えるよう強く促す」と記されている。
議長声明は安保理決議よりも意思表示としては一段階弱い。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使が2月、この議長声明を出すことを目指すと述べ、そのために必要なメンバー全員の同意獲得に向けた協議が現在まで続けられてきた。
ただ複数の外交筋の話では、中国とロシアは当初それぞれが修正案を提示したものの、今は協議自体に関与していないという。
中国の国連代表部からは今のところコメントを得られていない。
ロシアの国連代表部報道官は、安保理の「内部協議」について言及を避けたが、「朝鮮半島情勢を建設的かつ包括的に議論すること」や「前向きな結果を生み出す」行動を常に求めてきたと説明。「あらゆる要素を考慮しながら、現在の緊張を緩和することを目的とした協議を楽しみにしている」と述べた。