[ラブアンバジョ(インドネシア) 10日 ロイター] – インドネシアで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は10日、軍政下のミャンマーに「あらゆる形の暴力と武力行使の即時停止」を促す声明を出した。
安全かつ適時の人道支援輸送や包摂的な国民対話のために適切な環境を構築するよう求めた。
ミャンマー国軍は実施を約束した選挙の前に権力基盤を固めようと、抵抗勢力や少数派の反政府勢力に対する攻撃や空爆を強めている。
ASEANは加盟国の内政不干渉を原則とするが、クーデターで全権を掌握したミャンマーの軍政に対しては、2年前にASEANでまとめた暴力の停止や対話開始などを含む「5項目の合意」の履行を強く求めており、履行が確認できるまでは国軍指導部を高官級会合に招かない方針を打ち出している。
一方、フィリピンのマルコス大統領は9日遅く、ASEAN首脳会議では南シナ海の紛争抑止に向けた「行動規範(COC)」や台湾を巡る緊張激化も話し合われる見通しだと述べていたが、実際に議題になったかは現時点で分かっていない。
ミャンマー軍政に対抗する同国の民主派「挙国一致政府(NUG)」のチョー・ザウ大統領府報道官は、ASEAN議長国のインドネシアによる和平交渉に向けた取り組みを歓迎する一方で、軍政に対し強い不信感を示した。
「和平交渉の最大の障害は軍政だ」と主張。5項目の合意を果たしていないと指摘し、国際社会を欺こうとしていると非難した。
軍政の報道官はコメントの要請に応じていない。