企業の間で取り引きされるモノの価格を示す4月の企業物価指数は、前の年の同じ月と比べて5.8%上昇しました。3月から伸びは鈍化していて、輸入物価指数も2年2か月ぶりにマイナスに転じました。
日銀が発表した4月の企業物価指数の速報値は、2020年の平均を100とした水準で119.8となり、止まりが続いています。
一方で上昇率は5.8%と、3月の7.4%から伸びは鈍化し、2021年8月以来の水準となりました。
背景には、原油などのエネルギー価格が下落傾向にあることや、住宅向けの木材の需要が減少し木材や関連製品が値下がりしたことなどがあります。
また、円ベースでみた輸入物価指数は、円安が急速に進んでいた前の年と比べて、マイナス2.9%と2年2か月ぶりにマイナスに転じました。
ただ、調査対象となった515品目のうち、およそ83%にあたる431品目で値上がりしていて、原材料価格の上昇を販売価格に転嫁する動きは依然として続いています。
日銀は「引き続き不確実性が高い状況が続いている。国際商品市況の動向や為替変動による輸入物価の動向、そして企業の価格転嫁の動きなどを注視していく」としています。