Tugce Ozsoy、Kerim Karakaya、Netty Idayu Ismail
- 株や国債が下落、リラを支えるために国営銀行が介入
- エルドアン氏とクルチダルオール氏、28日に決選投票
15日の金融市場でトルコ資産が売りを浴びた。前日投開票の同国大統領選では過半数の票を獲得した候補がいなかったため28日に決選投票を行う。エルドアン大統領(69)が続けてきた型破りな経済政策の速やかな終了を見込んでいた投資家にとって、同大統領への支持は予想以上の強さだった。
主要株価指数のBIST100は6.1%下落。一時は6.7%安となり、サーキットブレーカーが発動された。トルコのドル建て債も安い。新興国債の中で最大の値下がりとなり、保証コストは急伸した。通貨リラは対ドルで0.5%安。事情に詳しい関係者によれば、国営銀行が介入してリラ安を抑えた。
選挙管理当局の15日発表によれば、集計作業はほぼ終了しており、約20年間政権を握るエルドアン氏の得票率は49.5%、主要野党統一候補のケマル・クルチダルオール氏(74)が45%弱で続いた。
フィデリティ・インターナショナルのポートフォリオマネジャー、ポール・グリア氏(ロンドン在勤)は選挙結果は「市場にショックを与え、多くの市場参加者が守勢に立たされた」と述べた。
イスタンブール時間午後6時15分時点で、リラは対ドルで1ドル=19.6748リラに下落。これより先、国営銀行が19.65リラ付近でリラ買い介入を行った。情報が非公開だとして匿名を条件に同関係者が明らかにした。
トルコ中央銀行は為替レートについてコメントを避けた。
現在の選挙制度で決選投票が行われるのは今回が初めて。エルドアン氏が1回の投票で当選を決めた2018年の時よりも今回は票が割れるとみられる。
KNGセキュリティーズのトルコ市場専門家、カグリ・クトマン氏は「不透明な2週間というのは、市場が最も嫌うシナリオだ」と述べた。
原題:Turkish Markets Slump as Bets on Return to Orthodoxy Unravel (2)
Turkey Set for Runoff as Erdogan Falls Just Short of Victory
(抜粋)