【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は19日の会合で、相次ぐ国内銀行の破綻による金融機関の融資条件の厳格化が成長や雇用を下押しする可能性を踏まえれば、「政策金利をさほど引き上げる必要はないかもしれない」と語った。6月半ばの次回政策会合での利上げ停止に含みを持たせた。
利上げ「打ち止め」模索 銀行破綻の動揺、収まらず―インフレが焦点に・米FRB
ただ、パウエル氏は、追加利上げに関して「何も決定していない」と強調。「会合ごとに、精査を続ける」と述べ、金融情勢と今後発表される経済指標を見極める意向を示した。
米国では3月以降、シリコンバレー銀行をはじめ中堅行3行が破綻し、信用不安がくすぶっている。パウエル氏は「雇用最大化と物価安定の達成は金融システムの安定次第だ」と述べ、不安の沈静化に全力を尽くす考えを示した。