[シドニー 24日 ロイター] – オーストラリアのアルバニージー首相は24日、シドニーでインドのモディ首相と会談し、地域の安全保障や経済関係について協議した。インドの学生や財界人の訪豪を促進するための合意文書も取り交わした。
インド高官によると、両首脳は、ロシアによるウクライナ侵攻が特に食料や燃料の安全保障面で途上国に及ぼす影響について議論した。
モディ氏がオーストラリアを訪れるのは2014年以来。アルバニージー氏は3月にインドを訪問している。
インドと豪は日米とともにクアッド(4カ国による連携の枠組み)のメンバー。当初はクアッド首脳会合がシドニーで開催される予定で、モディ首相もこの際にシドニーを訪問するはずだった。しかし、バイデン米大統領の都合でシドニー開催は取り止めとなり、クアッド首脳会合は主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)に合わせ東京で開かれた。
アルバニージー氏は会談後、記者団に「クアッドの指導者は、開かれ安定し安全で豊かなインド太平洋地域のために共に立ち上がる。平和を保つ地域のバランスによって全ての国が恩恵を受ける」と語った。
貿易、移民、再生可能エネルギーについても意見交換し、両国はクリーンエネルギー分野での協力を拡大するために「水素タスクフォース」を設立したと明らかにした。
オーストラリアは現在、中国が最大の貿易パートナーだが、輸出市場の多様化を図っており、インドとの通商関係強化を望んでいる。
モディ氏は鉱業と重要鉱物に関する協力の拡大について協議し、包括的な経済協力協定に向けて取り組むと述べた。
「両国の包括的な戦略的パートナーシップを次の10年でさらに高い水準へ導くことについて話し合った」と記者団に語った。
モディ首相は訪豪に先立ち、パプアニューギニアで太平洋島しょ国の首脳との会合(サミット)を開催した。