[東京 25日 ロイター] – 政府は25日に公表した5月の月例経済報告で、景気の総括判断を「緩やかに回復している」とし、前月の「一部に弱さがみられるものの緩やかに持ち直している」から上方修正した。上方修正は2022年7月以来10カ月ぶり。新型コロナウイルス禍からの回復や自動車生産の持ち直しなどが理由で、個別項目では個人消費と輸出、生産の判断を引き上げた。
個人消費は「持ち直している」とし、4月の判断から「緩やかに」との文言を削った。自動車販売の増加や、新型コロナの感染症法上の5類移行による高齢者の外食増加、大型連休中の新幹線・航空利用回復、東京・神田祭の4年ぶり開催など各地のイベント再開などを理由に挙げている。
輸出も4月の「弱含んでいる」から「底堅い動き」に引き上げた。半導体需要の減少などで輸出数量指数は2021年以来弱含みが続いてきたが、自動車の増加などで、これ以上悪くならない水準と判断した。訪日外国人数の回復も寄与した。
生産も上方修正し、4月の「このところ弱含んでいる」から「持ち直しの兆しがみられる」とした。スマートフォンなどに使う半導体メモリーなどは在庫調整で減少傾向にあるものの、半導体不足の解消に伴い自動車生産の増加傾向が強まっているとみている。
(竹本能文 編集:久保信博)