北朝鮮がけさ早く、「人工衛星」と称して弾道ミサイルの発射実験を行った。先週発射予告があり、それに沿った行動でもある。予告された発射期間は「31日午前0時から6月11日の午前0時まで」、一番早い時間帯に実行したことになる。個人的にはこの点に若干の驚きを感じた。「人工衛星」を打ち上げる権利は北朝鮮にもある。だが、核開発と同時並行で人工衛星を開発することは国連決議違反だ。だから日本をはじめ韓国や米国が北朝鮮の行動を厳重に監視している。人命尊重の観点から見ても大事なことだ。一方マスメディアには政府の行動を監視する義務がある。まして核兵器の長距離輸送を可能にするミサイルの実験である。メディアが重大な関心を持つこと自体は理解できる。とはいえ、ミサイルの危機が去ったあとも、延々と生放送を続けるテレビ局、とりわけNHKの事大主義的な対応は北朝鮮より“異常”ではないか。
ミサイル発射直後で確定的な情報はほとんどない。そんな中で放送を続けるのだから、放送する側も大変だろう。必然的にコメンテーターの発言が多くなる。彼ら彼女らも確たる情報を持っているわけではない。政府自体が情報収集に全力をあげているのだから、誰も真実などわかるわけがない。ミサイルは途中でレーダーから消えたようだ。「なぜ」、誰も答えられない。当然だ。しかたない。これまでの経緯を何回も説明し、安全保障会議が招集された程度の情報で繋ぐしかない。そのうちにミサイルは日本上空を通過しなかったこと、すでに海上に落下したらしいこと、実験が失敗に終わった可能性があること、未確認情報がはいりはじめる。慌てふためくNHK。それ自体が日本の実情を反映しているようにみえてします。NHKよ、危機が去っても中身のない生放送を続ける意味ってなに?
「北朝鮮が喜ぶだけだろう」、NHKに対する疑念が脳裏を駆け巡る。どこも一緒だろうと思いつつチャンネルを切り替えてみた。珍しく一部の民放は全然違う内容を放送していた。それだけでホッとする。何かあると横並びで、うんざりするほど中身のない放送を繰り返すテレビ局。これは電波の違法利用ではないのか?苛立ちはあらぬ方向に向かう。そんな中でネットを見たら、「北朝鮮、軍事偵察衛星ロケット発射の失敗認める-早期に再発射へ」(ブルームバーグ)とい記事が流れていた。「西海衛星発射場から同日午前6時27分に発射した軍事偵察衛星を運搬するロケットが黄海に落下した」「ロケットは1段目の分離後、エンジン発動の異常で2段目が推進力を失った」とある。国営朝鮮中央通信(KCNA)が伝えたものだが、方向転換の素早さはNHKよりはるかに優っている。さて、どうするNHK・・・
- 投稿タグ
- テレビ局