2日、米ニューヨーク市マンハッタンで開かれた天安門事件記念館の開館式で、あいさつする元学生リーダーの王丹氏
2日、米ニューヨーク市マンハッタンで開かれた天安門事件記念館の開館式で、あいさつする元学生リーダーの王丹氏

 【ニューヨーク時事】中国・北京で民主化運動が武力弾圧された1989年6月の天安門事件から34年を迎えるのを前に、米ニューヨーク市マンハッタンで2日、事件の記憶を伝える展示品を集めた記念館がオープンした。もとは香港に開設されていたが、当局の圧力で2021年に閉鎖に追い込まれていた。

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 ニューヨークへの移転は、天安門事件で学生リーダーだった王丹氏が主導した。王氏は2日の開館式で「(34年前に)銃声が中国人の(民主化の)夢を打ち砕いて以来、国力は増強したが、個人の自由は弱体化した」と指摘。「われわれは中国共産党の真の顔を忘れてはならない」と述べ、記念館設立の意義を強調した。

 館内には、事件を伝える当時の新聞や血に染まった記者のシャツ、学生らが掲げた大学の旗など30点以上を展示。今後、一般の見学予約を受け付ける。見学は無料だが、記念館継続のための寄付を呼び掛けている。

 開館式には、米国在住の著名な民主活動家、魏京生氏が参加したほか、天安門事件の元学生指導者ウアルカイシ氏らがビデオメッセージを寄せた。