世界第3位の富豪であるジェフ・ベゾス氏は約2週間前、奇妙とも言える行動を取った。アマゾン・ドット・コムの株式1株を114.77ドルで購入したのだ。当局への届け出で明らかになった。
ベゾス氏によるアマゾン株の購入は、2002年までさかのぼる記録で初めて。アマゾン創業者の同氏はむしろアマゾン株の売却の方が有名で、航空宇宙企業ブルーオリジンの資金や個人的なスーパーヨットの購入代金などに充てるべく、02年以降で約300億ドル(約4兆2000億円)相当を売却してきた。
1997年のアマゾンの新規株式公開(IPO)後、ベゾス氏は株式報酬を追加で受け取っていない。ただ同氏は現在もアマゾン株の約10%を保有しており、ブルームバーグ・ビリオネア指数によると個人資産1480億ドルの大部分を同株式が占める。
9日の米株式市場でアマゾンの株価は0.7%安の123.43ドルで取引を終了。5月25日の1株購入により、ベゾス氏の資産は約10ドル増えた格好だ。
ベゾス氏の今回の謎の株式購入について、アマゾンをカバーするアナリストや株式ウォッチャーの間では困惑の声が広がっている。ソーシャルメディアの世界では、ベゾス氏が株券あるいはそれに相当する文書をギフトとして贈ることを計画しているとの説や、ベゾス氏が証券口座で誤って買いのボタンを押したなどの説が渦巻いている。アマゾン担当者とベゾス氏は1株購入に関するコメントを控えた。
原題:Bezos Has Gained $10 on Mystery Purchase of One Amazon Share(抜粋)