• FOMC金利据え置きも利上げ再開に含み、5月米PPI予想下回る
  • 中国経済の再生協議、グーグルと欧州委員会、ブリンケン氏中国へ
A “For Rent” sign outside an apartment building in the East Village neighborhood of New York, US, on Tuesday, July 12, 2022. Photographer: Gabby Jones/Bloomberg

30年前に住んでいたアパートが、当時の3倍近い家賃で賃貸情報ウェブサイトに出ていました。所得の伸びをはるかに上回るペースです。食費や旅費は切り詰められても、賃貸契約に縛られる家賃はそうもいきません。ブルームバーグ・エコノミクスによると、家賃は消費者物価指数(CPI)と連動しているケースが多い一方で、CPIの算出には家賃が高いウエートで組み込まれています。家賃が上がればCPIが上がり、CPIが上がれば家賃が上がるスパイラルの関係です。それが金融引き締め長期化の一因になっています。連鎖にブレーキはかかるのか。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)は答えを出しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

いったん停止

米連邦公開市場委員会(FOMC)は主要政策金利の据え置きを決定。過去1年余り続けてきた利上げをいったん停止した。ただインフレ沈静化に向けて引き締めを再開する可能性が高いとのシグナルも発した。市場の見通しより多い追加利上げを予想している。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は記者会見で、2023年中に「幾分か」の追加利上げが適切になると、ほぼ全ての政策当局者が予想していると説明。7月にも追加利上げがあり得るかについては明言を避けた上で、7月は会合してみないと結果が分からない「ライブ」なFOMC会合になると強調した。

鈍化

5月の米生産者物価指数(PPI)は前月比で0.3%低下。エコノミスト予想中央値は0.1%低下だった。サプライサイドのインフレ鈍化が続いていることを浮き彫りにした。財の価格はほぼ1年ぶりの大幅低下となった。米労働省労働統計局(BLS)は、この低下の60%はガソリンの値下がりによるものだと説明した。食品とエネルギーを除くコアPPIは前月比0.2%上昇。サービス価格は小幅上昇。自動車ディーラーでのマージン上昇を反映した。

切迫

中国当局は実業界幹部やエコノミストとの会合を相次いで開き、経済再生に関する助言を求めている。会合での当局者の口調はいつになく切迫したものだったと、複数の出席者が明らかにした。経済の活性化や民間セクターの信頼回復、不動産業界再生の方法について考えを求めたという。これに対し、実業界幹部やエコノミストらは政府に政策修正を急ぐよう促し、計画主導型ではなく一段と市場寄りの成長へのアプローチをとるよう主張したと、関係者らは述べた。

地位乱用

欧州連合(EU)は米アルファベット傘下のグーグルに対し、EU競争法(独占禁止法)に違反している疑いがあると警告する「異議告知書」を送付した。広告技術に関する独占的な地位を乱用し、競争を阻害していると主張している。欧州委員会のベステアー上級副委員長(競争政策担当)は会見で、違法行為があったと正式に断定すれば、グーグルは広告販売サービスの一部分離を命じられることもあり得るとした。同社は声明文で「EUの見解に異議を唱えるとともに、適切に対応していく」とコメントした。

北京・ロンドン

ブリンケン米国務長官が今週、中国を訪問する。米中の対立先鋭化が懸念される中で、緊張の緩和を模索する。ブリンケン氏は16-19日に北京を訪れ、その後英ロンドンに向かう。クリテンブリンク国務次官補は記者団に対し、「今回は具体的な成果を多く挙げられると期待できるような訪問ではない」と述べた。ブリンケン氏は今年2月に北京訪問を計画していたが、中国の偵察用とされる気球が米領空内を飛行したことを受け、取りやめていた。

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