[ニューヨーク 13日 ロイター] – ウェブサイトやアプリを通じて最初にニュースにアクセスする人の割合が2018年に比べて全世界で10%減り、若い世代はソーシャルメディアや検索、ニュースを取捨選択して表示する「モバイルアグリゲーター」を通じた閲覧を好むことが、ロイター・ジャーナリズム研究所が13日公表した年次報告書「デジタル・ニュース・リポート」で分かった。
報告書は、米国を含む46市場で約9万4000人の成人を対象に行ったオンライン調査に基づいたもの。それによると、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」や写真投稿アプリ「インスタグラム」、「スナップチャット」などで注目を集めるのは、ジャーナリストよりもセレブやインフルエンサーだった。
ソーシャルネットワークの中で最も急成長しているのがTikTokで、18―24歳の層の利用率は20%と、昨年から5%ポイント上昇した。ニュース自体に「とても」もしくは「非常に強い」関心があると答えた割合は48%で、2017年の63%から急低下した。
ロイター・ジャーナリズム研究所のディレクター、ラスムス・ニールセン氏は報告書で、「2000年代生まれの人々が突然古くさいウェブサイトを好むようになると予想する根拠は無い。放送や紙媒体はもってのほかで、ますます古くなっているから、という単純な理由による」と分析した。
個々人の閲覧歴に基づいて取捨選択されたニュースを見ることについて、良い方法だと答えた割合は3分の1を下回り、2016年から6%ポイント減った。ただ、編集者やジャーナリストにニュースを選んでもらうのとアルゴリズムに選んでもらうのとでは、アルゴリズムの方が好ましいと答えた割合の方がわずかに多かった。
ニュースへの信頼感は過去1年間で2%ポイント低下。コロナ禍のピークに多くの国々で上昇した分が反転した。大半のニュースを信じると答えた割合は40%。米国ではこの割合が6%ポイント高まったものの、絶対水準は32%と最低に近かった。
インターネット上で現実とフェイクニュースを区別できるか心配だと答えた割合は56%で、昨年から2%ポイント高まった。