• パウエル議長が議会証言へ、長めの利上げ休止か1回見送りかが左右
  • 債券投資の人気戦略に打撃、米中外相「率直に」会談、米株息切れも
Florida, Cape Coral, South Spreader Waterway Canal, aquatic nature preserve and surrounding homes. Photographer: Jeff Greenberg/Universal Images Group Editorial

温暖な気候や比較的安い生活費を求めて、米北東部から多くの人がフロリダ州に生活拠点を移しています。しかし、その動きにやや陰りが出てきたようです。同州の一戸建て住宅の価格はここへきて2011年以降で初めて横ばいに。過去3年間では50%ほど上昇していました。不動産仲介レッドフィンのチーフエコノミストは「値段の上昇で住宅購入者にとって魅力が低下している」と指摘。デサンティス州知事が次々と保守派的な政策を打ち出していることが不安感を生んでいると話す仲介業者もいます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

手掛かり得られるか

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が今週、議会証言に臨む。米金融当局は先週、ここ数十年で最も積極的な引き締めをいったん停止。投資家は当局者が追加利上げに傾いているかどうかの手掛かりを得ようと、証言を注視することになる。議長は21日に下院金融委員会で、翌22日には上院銀行委員会でそれぞれ半期に一度の議会証言を行う。連邦公開市場委員会(FOMC)は11会合ぶりに利上げを見送ったが、ドット・プロット(金利予測分布図)では年末までの政策金利の中央値を上方修正され、多くの市場参加者が困惑した。議員らはこの決定について議長に質問を浴びせる公算が大きい。

歴史が示す

歴史はFOMCが次の利上げを実施する前に、より長い休止を選択した場合、現在の強気相場が継続する見込みが高まることを示している。しかし、FOMCが利上げを1会合だけ見送ってから再開した場合、状況は大きく異なる。1970年以降、FOMCが1年以上にわたって100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上の利上げを実施し、その後少なくとも3カ月間利上げを休止した局面が6回ある。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がまとめたデータによると、S&P500種株価指数は利上げ休止後の90日間に平均8.2%上昇した。ただ今回、米当局は一段の引き上げを見込んでおり、「休止」というよりは「1回見送り」。これは全く異なるシナリオとなる。

人気の投資戦略に打撃

ウォール街の多くが年初に当てにしていた戦略が、先週のFOMC会合での決定を受けて大きな打撃を被った。債券投資家は立て直しを余儀なくされている。今年初めの時点では、短期債利回りが中長期債利回りに比べて低下することに賭ける取引は確実に稼げる手法と見なされていた。FOMCが積極的な利上げをようやく停止して年内に利下げに転換するとの読みが背景にあった。しかし先週の会合後に発表されたドット・プロットで、今年末までの政策金利の予想が3月時点に比べて0.5ポイント引き上げられたことを受け、イールドカーブのスティープニングを見込む従来の人気戦略は放棄されつつある。

「率直な」会談

北京を訪問したブリンケン米国務長官は、中国の秦剛外相と7時間半にわたり「率直な」意見交換を行い、ハイレベルでの対話維持で一致した。両国はともに、「率直な」協議が行われたと発表した。秦外相はワシントン訪問要請を受け入れた。ブリンケン氏は滞在中に、習近平国家主席と会談する可能性もある。バイデン米大統領は17日、習主席と数カ月以内に会談することを望んでいると語った

米株は息切れも

強気相場にある米国株の上昇はそろそろ息切れしそうだと、シティグループが指摘した。スコット・クロナート氏が率いる同行のストラテジストらは、S&P500種が年末までに4000に下落するとの予想をあらためて示した。また、2024年半ばまでに4400という新たな目標も明らかにした。これは16日の終値である約4410をわずかに下回る水準。同氏はリポートで、明確な企業業績修正の欠如や、迫りつつある米国のリセッション(景気後退)が膨れ上がった株価に打撃を与えるとの見通しを示した。また、多くの重要な投資家心理の指標が、最近のS&P500種のブレークアウトに対する慎重姿勢を示していると指摘した。

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