[シンガポール 26日 ロイター] – 世界の水産物の9割余りが気温上昇や汚染などの環境変化によるリスクにさらされているとする研究結果が、科学誌ネイチャー・サステナビリティーに26日掲載された。

「ブルーフード」と呼ばれる水産物には2190種以上の魚介類、植物、藻類のほか、淡水で養殖される生物540種以上が含まれ、世界で32億人の生活を支えている。

ストックホルム・レジリエンス・センターの研究員で、今回の研究を共同で執筆したレベッカ・ショート氏は「気候変動への対応はある程度進んでいるが、環境変化に直面するブルーフード生態系の適応戦略はまだ途上で、緊急の対応が必要」と述べた。

海面や水温の上昇、海洋酸性化などのほか、藻類の大発生や水銀、農薬、抗生物質による汚染など、気候以外の要因もブルーフードの量と質に影響を与えるという。

研究では、中国、日本、インド、ベトナムが世界の水揚げ量の45%以上、養殖生産の85%を占め、こうした国々の脆弱性を下げることが優先されるべきとした。