[北京 27日 ロイター] – ロシア民間軍事会社ワグネルによる反乱は短期間で収束したものの、中国ではロシアとの深い関係がリスクになっていることが露呈した。
反乱のニュースが24日に流れると、中国南部の企業経営者はロシア向け商品の出荷を停止するよう工場にあわてて電話をかけ始めた。
福建省にある企業向け貿易団体の代表者、シェン・ムーフイ氏は、ロシアに自動車部品、機械、衣料品を輸出している加盟企業間に混乱が広がったと証言。危機は和らいだが、「これから何が起こるか分からないので様子見している人もいる」という。出荷を停止した企業名は挙げなかった。
中国は週末の反乱を大ごとにしないようするため、ロシア政府への支持を表明。ウクライナ侵攻直前、中国はロシアと「制限なし」のパートナーシップを結んでいる。
しかし、米政府高官は26日、反乱が中国指導部を動揺させたとの認識を示した。
一部アナリストは中国がロシアとの政治・経済的関係を弱める必要があるのではないかと思い始めており、シンガポールを拠点とする安全保障アナリストのアレクサンダー・ニール氏は「この『制限なし』の関係にはハエがたかっている」と表現した。
中国国営紙の評論員らは反乱を抑えたロシアのプーチン大統領の迅速な対応を称賛したが、批判的な言論が厳しく統制されている中国国内でもロシア寄りの中国政府の姿勢に疑問を呈する声が出始めている。
上海を拠点とする国際関係問題専門家、沈丁立氏は「(中国は)ロシアに関する言動により慎重になるだろう」と述べた。