[28日 ロイター] – 米政府は中国向けの人工知能(AI)用半導体の輸出規制強化を検討している。具体的には、輸出可能な半導体の性能要件をさらに厳格化する方向だ。事情に詳しい2人の関係者が明らかにした。

バイデン政権は昨年10月、中国の半導体産業の発展を止める目的で一連の輸出規制措置を導入。2人の関係者の話では、7月終盤までにこの規制の改定が実施される可能性がある。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)も27日、バイデン政権が中国へのAI用半導体輸出に新たな規制を設けることを考えていると伝えた。

米国側が規制強化に取り組む背景には、10月に導入した措置では中国企業によるAIシステム開発にブレーキをかける効果が十分に得られないのではないかとの疑問が浮上したことがある。

エヌビディアは10月の規制で定められた要件に従って性能を落としたAI用半導体のみを中国に輸出している。それでもロイターが先月報じたところでは、中国企業はこのエヌビディアの半導体を使ってAIシステムの学習時間を半分以下に短縮する計画を立てているという。