[29日 ロイター] – 欧州連合(EU)の金融リスク監視機関である欧州システミックリスク理事会(ESRB)は29日、EUの金融安定リスクは依然として「深刻」な水準との認識を示した。また住宅市場の低迷はさらに範囲が広がる恐れがあると警告した。

声明で「EUの金融安定リスクは依然として深刻であると結論付けた」と指摘。

「長期にわたる低金利環境が終わったことで世界的なリスク状況が一変した。金利急上昇の完全な影響は時間がたって初めて感じられる」とした。

ESRBは特に住宅市場を懸念しているとみられ、市場は転換点に達したか、転換点を超えた可能性があるとの見方を示した。

取引件数の減少と信用市場の指標は、住宅不動産市場の調整がより広範囲に及ぶ可能性を示していると分析した。

「景況感や収益見通しの悪化、資金調達コストの上昇、信用基準の厳格化を背景に、商業用不動産市場では投資が減少を続けている」とした。

経済情勢の低迷で資産の質が悪化し銀行の資金調達コストが高まる可能性があり、借り入れ需要の減退で貸し出しが抑制される公算が大きいと予想した。