[上海/北京 30日 ロイター] – 中国人民銀行(中央銀行)がこの1週間、一部外国銀行にドル預金金利について調査したことが関係者の話で分かった。ある商業銀行は金利の引き下げを指導されたという。景気減速、ドルとの金利差拡大で人民元は下落基調にある。

元は対ドルで8カ月ぶり安値付近に下落。年初からの下落率は5%近くになっている。最近の元安進行で当局は為替取引に厳しい目を向けている。

当局の動きを受け、企業は輸出企業を中心により多くの外貨収入を元に交換する可能性がある。

公式データによると、中国国内の外貨預金は5月末時点で8518億ドル。

5月中旬、人民銀行は為替レートの大幅な変動を断固として抑制し、ドル預金業務の自律的管理強化を検討すると表明した。

OCBC銀行の為替ストラテジスト、クリストファー・ウォン氏は「元安にどんな対応をとっても下落ペースを弱めるだけで、基調が転換することはないだろう」と述べた。

一部市場ウォッチャーは、企業が当局の意図通りに動く可能性は低いとみている。ドル預金金利が下がれば、保有資本を国外に移すことも考えられるという。

ある外銀トレーダーは、オフショアドル預金の増加、ひいては中国の国際収支や元に下押し圧力が掛かる可能性があると指摘した。