【ワシントン時事】米国務省は6月30日、2021年8月のアフガニスタン駐留米軍撤収に関する調査報告書を公表した。報告書では「高官レベルで最悪のシナリオに関する検討が不十分だった」と指摘し、トランプ前政権とバイデン現政権の対応を批判した。
報告書は、トランプ前大統領が21年1月に退任した際、当初は同年5月までとしていた撤収計画に不明確な点が多く残っていたと説明。「撤収後に首都カブールでどのように外交プレゼンスを維持できるかどうかも不明だった」と振り返った。
さらに、イスラム主義組織タリバンによるカブール制圧に伴い、ガニ政権(当時)の「突然の崩壊」が訪れ、「国務省はかつてない規模で複雑な任務に直面した」と強調。同省が同年7~8月にかけてアフガンの状況が悪化した際に「大規模なタスクフォースを設置しなかった」ことを挙げ、事態対処の責任者不在など危機管理体制に問題があったと指摘した。