[4日 ロイター] – ロシア南部チェチェン共和国で4日、ロシアの著名な女性記者と弁護士が武装した覆面の男に襲撃され、重傷を負った。同記者や人権グループが明らかにした。
襲撃されたのはロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」のエレナ・ミラシナ記者で、弁護士のアレクサンドル・ネモフ氏とともに空港からチェチェンの首都グロズヌイに向かっている途中に襲われた。
ミラシナ氏は入院先の病院で、男数人が車に乗り込み、ミラシナ氏とネモフ氏を縛り付け、銃を頭に突きつけたと状況を説明。人権グループの「メモリアル」によると、2人が「顔などを激しく蹴られ、殺すと脅された」ほか、「『ここから出て行け、何も書くな』と脅された」と明らかにした。
また、別の人権団体によると、ネモフ氏は足を刺されたほか、2人とも複数の骨折を負ったという。
入院先の病院で撮影された写真には、襲撃犯に頭髪をそられ、緑色の液体を浴びせられたミラシナ氏の姿が映っている。左腕と右手には包帯が巻かれている。
ミラシナ記者は長年にわたりチェチェンの人権侵害の取材を行っており、この日も政治的な理由で迫害を受けているとみられるチェチェン人女性の裁判を傍聴する予定だった。
ミラシナ氏は2020年にもチェチェンで暴行を受けている。
クレムリン(ロシア大統領府)は、プーチン大統領が「非常に深刻な攻撃」について報告を受け、調査が行われると発表。プーチン大統領の盟友とされるチェチェンのカディロフ首長はテレグラムへの投稿で「犯人の特定に向けあらゆる努力をするよう、管轄の機関に指示した」とした。