[東京 12日 ロイター] – 三菱重工業は12日、日本政府が2040年代の運転開始を目指す次世代型原子炉の高速炉実証炉について、設計・開発を担う中核企業に選ばれたと発表した。日本政府は廃炉となる原発の敷地内で次世代型原子炉の開発・建設を推進する方針を表明しており、脱炭素化とエネルギーの安定供給の両立を狙う。

高速炉は、高レベルの放射性廃棄物を従来から低減し、エネルギーの有効活用・自立の点から、核燃料サイクルを推進する国の基本方針に貢献できる技術として実用化が期待されている。

三菱重は1960年代から高速炉開発に取り組み、実験炉「常陽」、原型炉「もんじゅ」の開発・建設への参画、海外での共同開発などを通じて技術を蓄積している。同社原子力セグメント長の加藤顕彦常務執行役員は「今回の選定はこれまでの高速炉開発における豊富な実績と高い技術力が評価されたものと受け止めている」とコメント、「国の方針に基づき、国内実証炉実現に向けて取り組んでいく」とした。