• セントルイス連銀総裁が辞任、米PPI予想下回る、俳優労組もスト
  • マクロヘッジファンドにSVB破綻の後遺症、S&P500種次の節目
Netflix signage next to the Nasdaq MarketSite in New York. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

ハリウッドの脚本家労組に続いて、俳優労組もストライキを決行します。すでに大型映画シリーズの一部は新作封切りが延期されるなど、コンテンツ不足の波はエンターテインメント業界に押し寄せています。一方で動画ストリーミングの世界では、日本で過去に放映済みのテレビドラマが存在感を強めています。ネットフリックス米国版のテレビシリーズセクションでは、2016年の「逃げるは恥だが役に立つ」や21年の「最愛」がトレンド入り。Z世代の間では2000年の「池袋ウエストゲートパーク」も話題になっていると聞きます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

タカ派去る

米セントルイス連銀のブラード総裁が13日付で辞任した。8月14日まではセントルイス連銀に顧問としてとどまる。ブラード氏(62)は在任15年。退任後はパデュー大学ビジネススクールの学部長に就くという。連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策を巡る役割やその他の関連職務からは身を引き、講演などもすべて中止したとセントルイス連銀は説明した。ブラード氏は21年半ばから、インフレを抑え込むためにさらに積極的な措置を取るべきだと主張。物価圧力が「一過性」のものだと連邦準備制度理事会(FRB)が考えるのは間違っているとして、0.75ポイントの利上げを含め、いち早く大幅な金融引き締めを訴えていた。

圧力緩和

6月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇し、エコノミスト予想の0.2%上昇を下回った。前年同月比でも0.1%上昇と、予想の0.4%上昇を下回り、約3年ぶりの低い伸び。食品とエネルギーを除くコアPPIも前月比、前年同月比ともに予想を下回った。前日発表の消費者物価指数(CPI)に続いて物価圧力の緩和を浮き彫りにする内容で、インフレ抑制に取り組む米金融当局者にとっては安心材料となりそうだ。

ストライキ

全米の俳優16万人が加入するハリウッド俳優労組、米テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAGーAFTRA)がスト決行を発表した。ハリウッドの脚本家労組と俳優労組のストが重なるのは約60年ぶり。SAGーAFTRAはこれより先、ネットフリックスからソニーグループ、ウォルト・ディズニーに至るまで経営側を代表する全米映画テレビ制作者協会(AMPTP)との交渉が決裂したと明らかにしていた。脚本家1万1500人余りを代表する米脚本家組合(WGA)のストは5月2日から続いている。すでに多くの番組やプロジェクトが中断され、9月の新クール開始が危ぶまれている。

マクロの冬

大手マクロヘッジファンドの一部にとって、23年上期は極めて厳しい業績となった。キャクストン・アソシエーツでは6月に成績が一段と悪化し、上期を20%のマイナスで終えた。エレメント・キャピタル・マネジメントは6月に7.7%のマイナスとなり、年初来の成績をマイナス15.4%に下げた。サイド・ハイダー氏やクリス・ロコス氏のファンドをはじめ、6月に利益を上げたものの3月の損失を埋めるには至らなかったファンドもある。同月にはシリコンバレー銀行(SVB)破綻の衝撃が世界の金融市場に広がり、マクロヘッジファンドは金利市場でのレバレッジ取引で大打撃を受けた。

次の節目 

ゴールドマン・サックス・グループのパートナー、ジョン・フラッド氏はS&P500種株価指数が年内に過去最高値を更新する軌道にあるとみている。同指数は過去9カ月で25%上昇し、22年4月以来の高値水準で推移している。フラッド氏の楽観的な見方とは対照的に、ブルームバーグが6月中旬にまとめたストラテジストの予想平均によれば、年末までにS&P500種は約8%下げ、下期としては少なくとも1999年以来の悪い見通しとなっている。

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