▽米小売売上高、6月予想下回る0.2%増 基調なお好調<ロイター日本語版>2023年7月18日10:34 午後

[ワシントン 18日 ロイター] – 米商務省が18日発表した6月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.2%増加した。市場予想を下回ったものの、インフレ鈍化を背景に消費者の購買力は徐々に回復しているようだ。

ロイターがまとめたエコノミストの予想は0.5%だった。ガソリンスタンドや建材店での売上高が減少したたことで伸びは予想を下回ったものの、他の部門の売上高は増加、もしくは横ばい。米経済は第2・四半期も好調さを維持した公算が大きい。

5月分は0.3%増から0.5%増に上方改定された。

自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は0.6%増。5月分は0.2%増から0.3%増に上方改定された。

コア小売売上高は国内総生産(GDP)統計の個人消費の動向を反映する傾向があり、6月の底堅い伸びと5月の上方改定を踏まえると、米経済の3分の2以上を占める個人消費は第2・四半期も伸び続けた公算が大きい。ただ、過去2年間で最も速いペースで伸びた第1・四半期からは伸びは鈍化したとみられている。

トレードステーションのマーケット・インテリジェンス担当バイス・プレジデント、デビッド・ラッセル氏は「米経済は過熱することなく順調に推移している」とし、「ガソリン価格の下落に加え、消費財に対する過剰な需要がみられていないことは、7月以降の利上げ継続を懸念する投資家にとって、ささやかではあるがプラスのニュースだった」と述べた。

ただ、今回の小売統計は中身を見ると強弱混交。連邦準備理事会(FRB)は6月の会合で利上げを停止した後、今月は利上げを再開するとの予想に変化はなかった。

FHNフィナンシャル(ニューヨーク)のマクロ・ストラテジスト、ウィル・コンパーノール氏は「FRBの1年4カ月に及ぶ金融引き締めにもかかわらず消費は有意義に減速していない」とし、「消費が底堅く推移していることは、FRBが過度な引き締めを実施したと考える理由がほとんどないことを示している」と述べた。

部門別では、自動車が0.3%増。前月は1.5%増加していた。

衣料品は0.6%、オンライン小売は1.9%、家具は1.4%、家電・電化製品は1.1%、それぞれ増加した。

一方、建設資材・園芸用品は1.2%減。スポーツ用品や楽器などを含む趣味用品も減少。生鮮食品のほか、百貨店の売上高も減少した。

ガソリンスタンドの売上高は、ガソリン価格の下落を反映し、1.4%減少した。

サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は0.1%増。前月は1.2%増加した。