- テスラ株急落、ゴールドマン孤立無援、ブラックストーン運用資産
- ウクライナが報復措置、トルコが引き締めペース鈍化
ブルームバーグが実施した調査によれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)は来週の会合であと1回の追加利上げを決めて打ち止めにすると、エコノミストの大多数が予想しています。バーナンキ元米連邦準備制度理事会(FRB)議長も20日、7月の利上げが「最後となることはあり得る」と述べました。6月に公表した四半期経済予測で年内2回の追加利上げの可能性を示唆していたFOMC。来週発表の声明、そしてパウエルFRB議長の記者会見に注目が集まりそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
収益性悪化のリスク
電気自動車(EV)メーカーのテスラの株価が大幅安。終値で9.7%安となった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、金利が上昇し続ければ、テスラはEVの値下げを続けざるを得なくなると発言。収益性が一段と悪化するリスクが嫌気された。バークレイズのアナリスト、ダン・レビー氏は、テスラは販売台数を増やすため値引きに依存しているとし、粗利益率の回復は「予想より遅くなる可能性がある」と指摘した。
孤立無援
米銀ゴールドマン・サックス・グループが発表した中国の銀行に関する悲観的なリポートに日米欧の金融機関が異を唱えている。ゴールドマンのアナリストが中国の銀行で配当資金の不足が生じる可能性があると指摘した数日後、地方政府の不良債権や手数料収入の減少といった圧迫に中国の銀行は配当を減らすことなく耐えられるとシティグループとUBSグループ、大和キャピタル・マーケッツが主張した。
1兆ドル突破
米投資会社ブラックストーンが発表した第2四半期(4-6月)決算によると、運用資産がプライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンド業界として初めて1兆ドル(約140兆円)を突破した。ただ、ディール案件の低迷で利益が大きく落ち込み、偉業達成はかすむ格好となった。株主帰属利益を示す分配可能利益は39%減の12億ドルとなり、ここ2年で最低。運用資産は前年同期の9408億ドルから1兆10億ドルに伸びた。
報復措置
ロシアの港に向かう船舶は21日から軍事攻撃の対象になり得ると、ウクライナ国防省がテレグラムに投稿した声明を通じて警告した。ロシアがウクライナの穀物輸送船を標的にする可能性を示唆したことに対応し、報復措置を取った。ウクライナ国防省は、ロシアおよびウクライナのロシア占領地域それぞれの黒海沿岸港に向かう船は全て軍事貨物を積載していると見なされ得ると、ロシアが前日に発表したのと同じ言い回しを使って説明した。
ペース鈍化
トルコ中央銀行は、政策金利を引き上げたものの引き締めペースを鈍化させた。金融政策委員会(MPC)は、指標金利を15%から17.5%に引き上げた。ブルームバーグの調査で予想が的中したエコノミストは4人に過ぎず、大半はより大幅な利上げを見込んでいた。インフレ率が40%近くと依然高い中で、物価安定の手綱を緩める動きはトルコ資産に一段の売りを促す恐れがある。
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