[東京 1日 ロイター] – 内閣府は、2023年4─6月期国内総生産(GDP)のGDPギャップがプラス0.4%だったとする推計値を発表した。実質の年率換算では2兆円程度の需要超過となる。岸田文雄首相は、自身が自民政調会長時に50兆円を超える需要不足だった過去を振り返り、「この変化は画期的であると感じている」と、官邸内で記者団に語った。

内閣府が1日、GDP1次速報を反映した新たな推計値を発表した。

新型コロナに伴う景気後退で需給ギャップはマイナスが続いていた。内閣府によると、プラスとなるのは19年7―9月期(プラス1.2%)以来15四半期ぶり。内閣府では「感染症の影響で落ち込んでいたが、振れを伴いながらも改善傾向となり、小幅ながらプラスに転じた」としている。

推計値の公表を受け、首相は「経済社会活動を取り戻すことについてはゴールがみえつつある」との認識を示した。

一方で「プラスについては小幅で、プラスが今後継続するかどうか、安定して続くかが重要」とし、「日本経済がコロナ禍を乗り越えて新しいステージに移れるかはまだ正念場。経済対策の検討を加速したい」と記者団に語った。

GDPギャップは日本経済の需要と供給のバランスを示したもので、需要が供給を下回ればマイナスとなる。プラス基調を続けられるかは「デフレ脱却」を宣言できるかも左右する。