G20サミットが閉幕 首脳宣言採択 ロシア非難避ける

[ニューデリー 10日 ロイター] – インドの首都ニューデリーで開いた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は10日、閉幕した。ウクライナ情勢を巡り参加国間の対立が深まる中での開催となったが、9日に宣言を採択した。

焦点となったロシアのウクライナ侵攻に関する記述は、ウクライナ戦争でロシアを非難することは避けたものの、紛争が引き起こした人的被害を強調し、領土を奪うために武力を行使しないよう全ての国に呼びかけた。

議長を務めたインドのモディ首相は、11月に再びG20首脳によるオンライン協議を開く意向を明らかにした。

今回のG20サミットは、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が欠席した。ウクライナ情勢を巡り欧米諸国とロシアが対立する中、首脳宣言の取りまとめを不安視する声が上がっていた。

ロシア代表として主席したラブロフ外相は、今回のG20サミットが成功したとの認識を示した。

ドイツと英国も宣言を評価した。一方、ウクライナは宣言に「誇れるものは何もない」と指摘。ウクライナが出席していれば参加者は状況をより理解できただろうと不満を示した。

フランスのマクロン大統領は、国際経済をテーマにするG20はウクライナ侵攻の外交的な進展を期待する場ではないと述べた。

岸田文雄首相は、ロシアによるウクライナ侵攻はG20における協力関係を揺るがしかねないとの認識を示した。

宣言では、ウクライナとロシアからの穀物、食料、肥料の安全な輸送に向けた黒海イニシアチブの復活も求めた。

トルコのエルドアン大統領は、ロシア、ウクライナ、トルコの3カ国がウクライナ産の穀物輸出合意について協議を継続すると表明した。

また、モディ氏はアフリカ連合(AU)を正式メンバーに加えるよう提案し、賛同を得た。