- アーム上場初日に株価急進、ECBが10会合連続利上げ、強い米統計
- ディズニーがABC売却模索、FOMC利上げ完了宣言しない見通し
英半導体設計会社アーム・ホールディングスのレネ・ハース最高経営責任者(CEO)は昨年の株式市場を振り返り、「あまり良い環境ではなかった」とインタビューで述べています。この日のナスダック取引開始を控えてハース氏は「飛行機に例えれば、半年前や9カ月前とは異なり、極めて良好な場所に着陸できた」と話しました。アームの株価は新規株式公開(IPO)価格を25%上回って、初日の商いを終えました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
好調なデビュー
アーム・ホールディングスの株価は大幅上昇。IPO価格の51ドルを25%上回る63.59ドルで引けた。ソフトバンクグループ傘下の同社は前日に、48億7000万ドル(約7180億円)を調達する今年最大のIPOを実施。この日の上昇で株式相場を押し上げ、ソフトバンクグループの孫会長兼最高経営責任者(CEO)には成功をもたらした。アームの時価総額は約650億ドルを上回り、譲渡制限付き株式ユニット(RSU)を含めた完全希薄化後ベースでは680億ドル近くになる。初日の株価上昇で、ソフトバンクの持ち分はその価値が約120億ドル増えた。
10会合連続
欧州中央銀行(ECB)は中銀預金金利を0.25ポイント引き上げ4%とした。ユーロ圏経済が弱まる中でも、インフレ退治を優先した。投資家は今回の利上げがこのサイクルで最後となる可能性が高いと考えている。ECBは利上げ後の水準がインフレ抑制に「実質的に貢献」するとの見解を示した。ラガルド総裁は記者会見で、金利がピークに達したか「言えない」と述べた。決定発表後、ユーロは下落し債券は値上がりした。域内経済の成長見通しに対する懸念を反映し、トレーダーらは追加利上げの確率を20%未満とみている。
予想より強い8月
8月の米小売売上高は前月比0.6%増加し、市場予想を上回ったものの、減速の兆しも示した。ガソリン価格上昇を背景に、裁量支出が抑制された。データは7月分に加え、6月分も下方修正された。別に発表された8月の生産者物価指数(PPI)は、約1年ぶりの大幅な伸びとなった。エネルギーと輸送のコスト上昇が全体を押し上げた。8月はガソリン価格が20%急伸。指数全体の上昇の大部分を占めた。食品とエネルギーを除くコアPPIは前月比0.2%上昇。
可能性を模索
米娯楽・メディア大手のウォルト・ディズニーは、傘下に置くテレビネットワークのABCと複数のテレビ局を地方テレビ局運営会社ネクスター・メディア・グループに売却する可能性について、予備的協議を行った。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ディズニー傘下のスポーツ専門局ESPNは放映権の多くをABCと共有している。ネクスターはテキサス州アービングに本社を置き、所有または提携するテレビ局は計200局に上る。
タカ派的据え置き
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が率いる来週の連邦公開市場委員会(FOMC)は、利上げ完了を示唆するには至らないもようだ。インフレ率が依然として目標の2%を上回り、経済成長も堅調なことから、今月19ー20日の会合では政策金利を据え置くにしても、引き締め政策へのバイアスは維持する可能性が高い。JPモルガン・チェースのチーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏は、「FRBがこの段階で利上げ完了を示唆することは、まずない」と述べた。
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