• FRB「宿敵」に直面、原油高で投資戦略見直し、カナダCPI
  • アマゾンが25万人採用へ、1ドル払って1000ドルの賭け

ダドリー前ニューヨーク連銀総裁は20日公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)予測について、大半の参加者が年内もう1回の利上げをなお想定していることが示されるとの見方をコラムで示しました。経済にまだ著しい前向きのモメンタムがあることなどが理由。利上げ予想を維持することは市場の期待を抑えるという戦術的なメリットもあるといい、さもなければ、市場は「利上げが終了した」とみて金融状況の望ましくない緩和が生じ得ると論じています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

FRB「宿敵」に直面

米経済のソフトランディングの偉業達成を目指す金融当局は、原油相場上昇という勝手知ったる「宿敵」に直面している。原油相場は2022年の高値を引き続き大きく下回っているものの、景気下降を引き起こすことなくインフレ率を2%の当局目標に押し下げようとする現状にあって、最近の原油高傾向はリスクを突き付ける。イエレン米財務長官は、最近の原油価格上昇は望ましくないが、いずれ安定するはずだと指摘。米経済はなおもソフトランディングの軌道を進んでいるとの考えを示した。

投資戦略見直し迫られる

衰えを見せない原油価格上昇は世界的に投資戦略の再考を迫っている。航空株、石油輸入国の通貨、国債利回り。これらは北海ブレント先物が1バレル=95ドル台に乗った現実を反映し始めた一握りの資産クラスに過ぎない。バークレイズのテミストクリス・フィオタキス氏は「原油の供給ショックを受けて、ほぼすべての通貨が対ドルで下落している」と指摘。ユーロ、円、スウェーデン・クローナなどが特に売られやすい地合いにある一方で、ブラジルやカナダなど石油輸出国の一角は、市場全般を見舞う嵐を切り抜けられるかもしれないと述べた。

カナダCPI予想上回る

カナダのインフレ率が2カ月続けて市場予想を上回る伸びを示した。ガソリン価格の上昇が全体を押し上げた。8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4%上昇と、4月以来の大幅な伸び率。エコノミスト予想の中央値は3.8%上昇だった。前月比ベースでは0.4%上昇と、市場予想の2倍の伸び。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、カナダ銀行(中央銀行)が引き締め策を再開するとの観測が強まった。2年債利回りは一時4.897%と、2001年以来の高水準を付けた。

年末商戦控え25万人採用へ

アマゾン・ドット・コムは、今年のホリデーシーズン向けに25万人を採用し、物流担当の平均時給を約20.50ドル(約3030円)に引き上げると明らかにした。労働力が不足する中、同社は人員の確保と維持に努めている。新規に採用される人員の一部は1000-3000ドルの賞与を受給する資格を得る。アマゾンは、重要な年末のショッピングシーズンに十分な従業員を確保すべく、通常秋の時点で採用を強化する。2022年の秋には15万人の採用計画を発表した。

1ドル払って1000ドルの賭け

今年一番人気のオプション取引には見えざる力が働いている。ウォール街のプロもデイトレーダーも等しく、1ドルを払って1000ドルの株式を賭けられる力だ。米株価指数の日々の変動に対する24時間以内の超短期契約で、一見格安の初期資金で賭けられるのが「ゼロDTE(ゼロ・デー・トゥー・エクスピレーション)」。デリバティブ市場のエコシステムには、このオプション取引を極めて格安に見せる奇妙な仕組みがあり、熱狂の火に注がれるこの油は表から見えない。

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