- FOMC年内あと1回の利上げ示唆、リセッション「予想し難い」
- 英利上げサイクル終了近い、スト解決の兆し見えず、高金利の痛手
「タカ派的な据え置き」が広く予想されていた今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合。声明で景気判断が上方修正されたほか、失業率に関する楽観的な見通しも示され、「より高くより長く」というスタンスを裏付ける格好と言えそうです。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのアレクサンドラ・ウィルソンエリゾンド氏は、「予想以上にタカ派的だった」と話しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
年内あと1回
FOMCは主要政策金利の据え置きを決定。一方で、年内あと1回追加で金利を引き上げ、その後は高水準の金利をより長期にわたって維持する公算が大きいことを示唆した。最新の四半期経済予測では、FOMC参加者19人のうち12人が年内あと1回の利上げを支持していることが示され、2024年に見込む金融緩和の幅は縮小。パウエルFRB議長は「適切であれば追加利上げに動く用意があり、インフレがわれわれの目標に向かって持続的に低下していると確信が持てるようになるまで、政策を景気抑制的な水準に維持する考えだ」と述べた。
「予想し難い」
米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアラステア・ボースウィック最高財務責任者(CFO)は、米国がリセッション(景気後退)に陥る見込みは薄くなりつつあるとの見方を示した。ボースウィックCFOは同行主催の会議で、「個人消費が前年比4%増となっている状況で米国がリセッションに陥るとは予想し難い」とし、「リセッション入りするとしても極めて軽度、また先送りされるというのがコンセンサスだろう」と述べた。
サイクル終了近い
イングランド銀行(英中央銀行)の利上げサイクル終了が近いとの見方がトレーダーの間に広がった。英国のインフレが予想外に減速したためだ。8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比6.7%と、予想に反し前月(6.8%)を下回り、過去1年半で最も低くなった。ゴールドマン・サックス・グループとノムラ・インターナショナルはさらに踏み込み、英中銀の金利は既にピークを付けたとの見解を示した。
解決の兆し見えず
米自動車ストライキに解決の兆しは見えていない。ゼネラル・モーターズ(GM)と全米自動車労組(UAW)の交渉は依然として合意には程遠い状態にあると、複数の関係者が明らかにした。メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)はホワイトカラーの社員らに対し、UAWからの最新の対案はまだ高額過ぎると述べたという。ステランティスはストの影響で保管に制約が生じているとし、350人超のレイオフに踏み切る可能性を明らかにした。一方でUAWは、独メルセデス・ベンツグループに部品を供給する工場で組合員がストに入ったと発表した。
痛手は深刻化
米国の中小企業経営者の半数は、過去18カ月の金利上昇により利益率が低下し、収益が減少、成長が損なわれたと指摘したことが、中小企業向けにオンライン紹介ネットワークを運営するアライナブルの調査で明らかになった。全体の3分の2余りが、事業活動の持ち直しを想定するには、少なくとも3ポイントの金利低下が必要になると回答。こうした痛手は深刻化しつつあるとも経営者らは指摘した。
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