小惑星「ベンヌ」に近づく無人探査機「オシリス・レックス」のイメージ図=米航空宇宙局(NASA)提供(EPA時事)
小惑星「ベンヌ」に近づく無人探査機「オシリス・レックス」のイメージ図=米航空宇宙局(NASA)提供(EPA時事)

 【ワシントン時事】小惑星「ベンヌ」から試料を採取した米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「オシリス・レックス」が24日、地球に帰還した。世界で初めて小惑星の試料採取に成功し、大きな関心を集めた日本の無人探査機「はやぶさ」の米国版で、NASAは試料を回収し、詳しく分析する。

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 NASAによる小惑星の試料回収は、これが初めて。回収されたのは250グラム前後と推定され、日本の探査機が過去2回に持ち帰ったものより大きい。

 オシリス・レックスは米東部時間24日午前(日本時間同日深夜)、試料を収めたカプセルを地球に投下。カプセルはユタ州の砂漠地帯にパラシュートで着地し、回収された。

 NASAのネルソン長官は「歴史がつくられた。太陽系初期の秘密を発見できる可能性がある」と意義を強調した。NASAはテキサス州のジョンソン宇宙センターに試料を空輸し、科学者による分析を行う。試料の0.5%は協力関係にある日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)に提供する。

 ベンヌは太陽との距離が地球と比較的近い「地球近傍小惑星」で、公転周期は1.2年。約46億年前の太陽系誕生時から地表の岩石などの性質がほとんど変化しておらず、地球の成り立ちや生命の起源などを知る上で、回収された試料が貴重な手掛かりになり得ると期待されている。