Jordan Fabian、Akayla Gardner
- キング氏は既に韓国をたち数時間で米国に到着すると国務省報道官
- 移送を助けた中国に感謝の意を表明-サリバン米大統領報道官
今年7月に韓国と北朝鮮の軍事境界線がある板門店で許可なく北朝鮮側に入り、拘束されていた米兵のトラビス・キング氏が中国に国外追放され、帰国の途に就いたと、複数のバイデン政権当局者が明らかにした。
米国務省のミラー報道官が米東部時間27日午後1時(日本時間28日午前2時)過ぎに記者団に明らかにしたところでは、キング氏(23)は北朝鮮との国境にある中国の都市、丹東に移送され、そこで米国のバーンズ駐中国大使に出迎えられた。
その後、米国務省の飛行機で中国の瀋陽を経由して韓国・烏山にある在韓米軍の空軍基地に移動。既に韓国を出発して数時間中に米国に到着する見込みだと同報道官は説明した。
ミラー報道官は北朝鮮と米国の仲介役を務めるスウェーデンの外交官が移送を助けたほか、中国も同国経由の円滑な移送を支援したと話した。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は「中国政府の助力」に感謝の意を表し、この移送が米中関係が緊張する中でも両国が協力した事例だと事実上認めた。
ミラー氏は6月のブリンケン国務長官の訪中以来、米中間の協議の「テンポ」が速くなっており、近く中国との会談の詳細が発表されるだろうと述べた。
国営朝鮮中央通信(KCNA)は27日、キング氏の国外追放予定について報じたが、同氏の居場所や米国へ身柄を引き渡す計画については明らかにしていなかった。
米当局者1人によれば、キング氏の出国を巡り北朝鮮に一切譲歩することはなかった。同氏は帰国して家族と会うことができるのを喜んでいるという。
原題:Soldier Expelled From North Korea Is Now in American Custody (2)(抜粋)