- 米金利据え置き可能とSF連銀総裁、米利回り急上昇でバーキン総裁
- 米新規失業保険申請、米貿易赤字、プライベートクレジット
今年の酷暑は干ばつや森林火災だけでなく、世界各地で大規模な洪水も引き起こしています。リビアでは9月に数千人が死亡する大洪水が発生。7月にはアジア各地で100人余りが命を落としました。米カリフォルニア州でも1-3月と7月に洪水が発生し、米国立環境情報センターによると、32人が亡くなり、67億ドル(約9940億円)相当の被害が出ました。空気が暖まると保持される水蒸気の量が多くなり、水蒸気が熱を吸収して逃がさないために大気中の水分が一層増え、さらなる豪雨を引き起こすと科学者は指摘します。地球温暖化が進む中、洪水被害はこの先、一段と深刻化する恐れがあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
据え置き可能
米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、労働市場とインフレが減速し続ける、ないしタイトな金融環境が続けば、米金融当局は政策金利を据え置くことが可能だと述べた。エコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークが主催したイベントでの発言。「政策金利を現行水準に維持したとしても、インフレとインフレ期待が低下する中で、金融政策はますます景気抑制的になる」とし、「従って金利維持は積極的な政策行動だ」と述べた。一方で、改善傾向が行き詰まった場合、「金融政策が任務完遂に向けて十分に景気抑制的だと確信するまで、そうしたデータに対応して追加利上げを行うことができる」とも語った。
堅調な指標と供給拡大
米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、米国債利回りの急上昇は堅調な経済指標と大量の国債供給を反映したものだとし、利回りは過去に見られた一段と正常な水準に戻りつつあるとの認識を示した。ノースカロライナ大学ウィルミントン校主催イベントでの発言。同総裁はインフレ抑制にさらなる取り組みが必要かどうか、政策担当者には見極める時間があるとし、年内追加利上げの是非を判断するのは時期尚早との考えを改めて示した。「今後の道筋はインフレ圧力がピークを過ぎたと確信できるか、なお持続するとみるかに左右される。その手掛かりを求め、労働市場を注意深く見守りたい」と述べた。
労働市場の強さ継続
先週の米新規失業保険申請件数は前週比2000件増の20万7000件と、過去最低水準付近にとどまり、労働市場の強さが継続していることが浮き彫りになった。市場予想は21万件だった。失業保険の継続受給者数は9月23日終了週に1000人減の166万4000人。ブルームバーグ・エコノミクスのイライザ・ウィンガー氏は「失業保険申請件数の小幅な増加は、レイオフが全般的に過去最低水準近辺にとどまっていることを示唆する。しかし、全米自動車労組(UAW)のストが長引けば、こうした状況は変わる可能性がある」と指摘した。
3年ぶりの水準に縮小
8月の米貿易赤字は前月比9.9%減の583億ドルと、約3年ぶりの水準に縮小した。市場予想の中央値は598億ドルだった。外国製品への需要が減少した一方、外国への財の出荷が加速した。貿易収支はインフレ調整されていない。輸入額が0.7%減少した一方、輸出額は1.6%増加した。国内需要は消費財と資本設備の両方で軟化。急速に上昇した借り入れコストにより、外国製品の購入は一段と抑制される恐れがある。
存在感
米投資会社KKRは、パブリック(公開)のクレジット市場がここ数カ月でいくらか強さを取り戻しているものの、他の確定利付き投資資産と並んでプライベートクレジットに資金を恒常的に振り向ける投資家が増えていると指摘した。同社クレジット・マーケッツ部の共同責任者、クリストファー・シェルドン氏は投資家向けの書簡で、より多くの顧客が、1兆5000億ドル(約223兆円)規模のプライベートクレジット市場を、戦術的な投資先としての位置付けから恒常的な投資先として捉えていると説明した。同氏は電話取材で、顧客やアロケーション担当者に話す際、プライベートクレジットが「恒常的な資産配分先になりつつある」と述べた。
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