イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディ氏=ナルゲス・モハンマディ基金が2日提供(AFP時事)
イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディ氏=ナルゲス・モハンマディ基金が2日提供(AFP時事)

 【ロンドン時事】ノルウェー・ノーベル賞委員会は6日、今年のノーベル平和賞をイランで収監中の女性人権活動家ナルゲス・モハンマディ氏(51)に授与すると発表した。授賞理由として「イランにおける女性抑圧に抵抗し、すべての人々の人権と自由を促進するために闘った」ことを挙げた。

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 委員会はモハンマディ氏について「人権擁護者であり、自由のための戦士だ」と指摘。イランの神権体制が同氏を「13回逮捕し、5回の有罪判決を下し、計31年の刑期と154回のむち打ち刑を言い渡した」と非難するとともに、「多大な個人的犠牲」を払いながらも「表現の自由と自立の権利を得るための勇敢な闘い」を行ったと同氏をたたえた。

 イランの女性は公共の場でのスカーフ着用が義務付けられ、米欧では「自由の抑圧の象徴」と強く批判されている。昨年9月には当時22歳だった女性が、スカーフを適切に着用しなかったとして当局に拘束され、後に死亡する事件が発生。国内にとどまらず、国際社会からも非難の声が相次いだ。

 モハンマディ氏は現在も獄中にいる。それでも女性の人権向上を訴え続けてきた同氏への授賞は、そうした抑圧と闘う人々を勇気づけるものだ。

 ノーベル賞委員会のライスアンデシェン委員長は「イラン当局がモハンマディ氏を釈放するという正しい決断をすれば、彼女は(授賞式で)この名誉を受け取ることができる。それをわれわれは何よりも望んでいる」と述べた。

 賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1億5000万円)。授賞式は12月10日にノルウェーのオスロで開かれる。

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