[東京 26日 ロイター] – 岸田文雄首相は26日の政府与党政策懇談会で、物価高による国民負担を緩和し、デフレ脱却を確実なものにするための一時的な措置として所得税・個人住民税の減税をするのが最も望ましいと指摘、過去2年間の税収増分を還元すると語った。
低所得者層への支援として、住民税非課税世帯1世帯当たり合計10万円を目安に給付金を出すことも表明した。
首相は、過去2年間で所得税・個人住民税の税収が3.5兆円増加する中で国民負担率が高まってきたことも踏まえ「この税収増を国民に税のかたちで直接還元する」と語った。
具体的には、2024年度税制改正での定額減税を検討する。首相が先月26日に指示した各種減税制度の強化・創設と合わせ、年末に成案を得たいとした。
低所得者層への支援では、物価高対策のための重点支援地方交付金の低所得者世帯支援枠を追加的に拡大する。「1世帯当たり7万円を追加することで、住民税非課税世帯1世帯当たり合計10万円を目安に支援する」と述べた。こちらは現在策定中の経済対策に盛り込む。
首相は、拡充する児童手当の支払い開始を24年12月とし、従来の25年2月から前倒しする考えも示した。そのうえで「高校生や児童手当制度の現行の所得制限外の子どもも含めて来年6月から1人につき4万円の定額減税を行うことは、実質的に児童手当の抜本的拡充をさらに前倒しする効果を持つものだ」と強調した。