[東京 27日 ロイター] – 総務省が27日に公表した10月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は106.0と、前年同月比2.7%上昇した。伸び率は9月の2.5%を上回った。生鮮食品除く食料の伸び率鈍化が続く一方で、政府の補助金半減で電気代や都市ガス代のマイナス幅が縮小。昨年10月に全国旅行支援の開始で押し下げられた宿泊料は、前年の反動で大きく上がった。
ロイターがまとめた民間予測、同2.5%上昇を上回った。
エネルギー価格は14.1%下落。内訳で、電気代は18.6%下落。前月はいずれも比較可能な1971年1月以降で最大の下落率だったが、下落率が縮小した。都市ガス代は14.2%下落。政府の電気・ガス価格激変緩和対策により、総合指数を0.45%ポイント押し下げた。押し下げ効果は前月の0.91%ポイントのほぼ半分となった。
ガソリンは7.4%上昇となり、前月の10.0%上昇を下回った。元売り各社への補助金増額が要因。
宿泊料は42.8%上昇で、前月の18.0%上昇の2倍以上の伸びとなった。2021年12月以来の伸び率。このほか、インターネット接続料は前月の0.0%から8.0%と大きく伸びた。一部で割引の新規受付が停止されたという。
生鮮食品を除く食料は7.3%上昇となり、前月の8.5%上昇から伸び率が縮小した。伸び率の縮小は3カ月連続。
財・サービス別では、財価格が4.6%上昇、サービス価格が2.1%上昇で前月をともに上回った。財価格は猛暑による生育不良で生鮮野菜が上昇していることが押し上げにつながった。
サービス価格のうち、公共サービスを除いた一般サービス価格は2.7%上昇で1994年2月以来の伸び率。宿泊料やインターネット接続料が影響したとみられる。
(和田崇彦)