【ワシントン時事】米東部メリーランド州のメリーランド大は今年秋に始まった学期から、任天堂の人気ゲームシリーズ最新作「ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・ザ・キングダム」を工学部の授業で活用していると発表した。学生から受講希望が殺到し、キャンセル待ちが定員の2倍以上に達したため、当面は毎学期開講する予定だ。
ライアン・ソチョル准教授がこの授業を担当。従来のコンピューターを使った設計などの代わりに、ゲームを採り入れた授業を考案した。
同作は5月に発売。ゲームの中で、主人公は特殊な能力として、いくつかの部品を組み合わせて自由に乗り物などの機械を製作できる。
学生はチームに分けられ、ゲーム機「ニンテンドースイッチ」とゲームソフト、コントローラーを貸与される。授業の一環で、設計した乗り物の速さをクラス内で競い、首位だった学生に「Aプラス」の成績を与える。
ソチョル氏は公開した動画で「このゲームは、学生が機械設計の能力を磨くのに役立つユニークな手段を提供していると感じた」と語った。サミュエル・グラハム学部長も「ゲームは若者が工学などに興味を持ち、現実世界の課題解決に役立つツールを作る入り口となる」と指摘した。