イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディ氏=ナルゲス・モハンマディ基金が10月2日提供(AFP時事)
イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディ氏=ナルゲス・モハンマディ基金が10月2日提供(AFP時事)

 【ロンドン時事】今年のノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロの市庁舎で行われ、イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディ氏(51)に記念メダルと賞状が贈られた。

女性解放へ「闘い続ける」 たびたび収監、獄中からも発信―ノーベル平和賞のモハンマディ氏

 イランで獄中にあるモハンマディ氏に代わり、夫のタギ・ラフマニ氏と共にフランスに亡命中で、双子の17歳の娘キアナさんと息子アリさんが受け取った。受賞者が収監中で出席できないのは、昨年のベラルーシ人権活動家アレシ・ビャリャツキ氏に続き2年連続。

 獄中から届けられたモハンマディ氏の受賞スピーチを、子供2人が代読した。同氏はこの中で、イランの政治体制について「世界人権宣言やその他の人権条約で示されている権利の多くを危うくし、人々の生活に影響を与えている」と批判。「ヒジャブ(女性の頭部を覆うスカーフ)強制の廃止は、宗教的専制の根源をすべて取り去り、権威主義的抑圧の鎖を断ち切ることに等しい」と訴えた。

 そして「自由と正義の光がイランの地を明るく照らすと確信している。その時、私たちは民主主義と人権の勝利を祝い、イランの街頭での人々の勝利の賛歌は世界中に響き渡るだろう」と結んだ。

 ノルウェー・ノーベル賞委員会は今年10月の発表時、授賞理由として「イランにおける女性抑圧に抵抗し、すべての人々の人権と自由を促進するために闘った」ことを挙げた。