- FOMC金利据え置き・来年利下げ予測、安倍派側を強制捜査と報道
- 米国債取引で新規制、テスラ200万台リコール、シティ繰り上げ賞与
経済学者が多い歴代連邦準備制度理事会(FRB)議長の中で、弁護士であり、投資銀行とプライベートエクイティ両方のキャリアも持つパウエル氏はやや異色と言える存在です。今月1日にジョージア州のスペルマン大学で開かれたイベントで、若い弁護士だった自分がインベストメントバンカーに転身した理由を「クライアントの投資銀行を見ていると、法律事務所よりずっと楽しそうだった」と説明。正直な告白に、聴衆の学生たちは静かな笑いで応じました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
利下げ予測
米連邦公開市場委員会(FOMC)は主要政策金利を2001年以来の高水準である5.25-5.5%で維持すると全会一致で決定。据え置きは3会合連続。当局者らは2024年に合計0.75ポイントの利下げを予測。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は記者会見で、物価上昇圧力が再び台頭しないようにするため、「適切であれば、追加引き締めに動く用意がある」と述べた。金利スワップ市場では2024年の利下げ確率が高まった。
強制捜査
自民党安倍派が政治資金パーティー収入の一部を裏金にした疑惑で、東京地検特捜部が政治資金規正法違反容疑で近く安倍派側の強制捜査に乗り出す方針を固めたと、共同通信が関係者の情報として伝えた。安倍派への強制捜査実施は、支持率が低迷している岸田政権にとってにさらに大きな打撃となり、来年9月の自民党総裁の任期満了を前に危機的な状況に陥る可能性がある。岸田首相は14日に人事を実施する。
構造改革
米証券取引委員会(SEC)はヘッジファンドや証券会社に対し、中央清算機関を経由した米国債決済を著しく増やすよう新たな義務を設ける。26兆ドル(約3774兆円)規模の米国債市場に抜本的な構造改革を迫る。レポ取引に関わる米国債取引は全てクリアリングハウス(清算・決済機関)で決済することを義務付ける。ヘッジファンドは現物の米国債については取引の中央決済義務を免除され、部分的な勝利となった。それでも新規制は、ベーシストレードなどレバレッジの高い戦略に対する監督強化につながりかねない。
200万台
米電気自動車(EV)大手テスラは、200万台以上を対象とするリコール(無料の回収・修理)を届け出た。米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が同社の自動運転支援システム「オートパイロット」の誤用防止対策は不十分と判断した。テスラの自動運転システムに関するリコールは今年2回目。同システムを巡っては死亡事故を含め数百件の衝突が発生しており、当局は調査を強化している。
インセンティブ
米銀シティグループは自主退職に同意する一部従業員に対し、ボーナス(賞与)の一部を繰り上げ支給することを提案している。ボーナスに加えて、この提案を受け入れる従業員は繰り延べ株式賞与を全て確保することも認められるという。ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)は9月、過去数十年で最大規模の組織再編を実施すると発表。24万人の従業員を抱える同行は組織の簡素化と一部管理職層の廃止を目指している。
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