[ワシントン 13日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は12月12日─13日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。据え置きは3会合連続。同時に発表した最新の金利・経済見通しで、過去約2年にわたって実施した歴史的な金融引き締めは終わりを告げ、来年には金利が低下し始める可能性が示唆された。
FRBはFOMC声明で、インフレ率は依然として高止まりしているとしながらも「この1年で緩和した」と指摘。インフレ率を目標とする2%に戻すために適切な「あらゆる追加的な金融政策の引き締めの程度(the extent of any additional policy firming)」を決めるに当たり、経済と金融の動向を考慮すると表明した。
金利・経済見通しでは、19人の政策担当者のうち17人が2024年末には政策金利が現在よりも低下するとの予想を示した。中央値では、FF金利誘導目標は現在の5.25─5.50%から0.75%ポイント低下するとの予想が示された。来年末までに金利が上昇するとの予想はなかった。
パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、見通しの不透明さを指摘し、政策当局者が利下げを視野に入れる中でも、現時点では利上げを明確に否定することはできないと表明。「政策金利が引き締めサイクルのピークに達したか、その近くにあると考えている」としながらも、経済の予測不可能な性質を踏まえると、FRB当局者は「一段の利上げが適切になる可能性は低いと考えると同時に、その可能性を排除したくない」と述べた。
同時に、FRB当局者が利下げの時期を検討する中、後手に回らないよう留意していると言及。待ちすぎることで利下げが遅くなるリスクについて認識していると語った。
また、FRBがFF金利誘導目標の引き下げに向けて動き始める中でも、バランスシート縮小のプロセスをいつ終了させるかはまだ分からないと指摘。「現時点で量的引き締め(QT)のペースの変更は協議されていない」とし、バランスシート見通しは金融政策とは別に運営されていると述べた。
今回の金利・経済見通しでは、FRBが担う二重の責務である最大雇用と物価安定に対するリスクが、より良い均衡になりつつあることも示された。
トレーダーXのマーケット・アナリスト、マイケル・ブラウン氏は、FRBの最新の金利予測分布図(ドット・プロット)は「予想よりややハト派的」だったと指摘。アライアンス・バーンスタインのシニアエコノミスト、エリック・ウィノグラッド氏は、FRBは追加利上げの選択肢を残しつつも、重大なサプライズがない限り、利上げサイクルは終了という非常に明確なメッセージを発したと述べた。