▽EU、ウクライナ加盟交渉開始で合意 ハンガリーは採決から退席<ロイター日本語版>2023年12月15日午前 4:47 GMT+93時間前更新

EU、ウクライナ加盟交渉開始で合意 ハンガリーは棄権

[ブリュッセル 14日 ロイター] – 欧州連合(EU)は14日開催した首脳会議で、ウクライナの加盟交渉を開始することで合意した。ただ、交渉には数年かかる可能性が高い。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、「これはウクライナの勝利であり、全欧州にとっての勝利だ。やる気を起こさせ、鼓舞し、強化する勝利だ」と歓迎。「歴史は自由のためにたゆまず戦う人々によって作られる」と述べた。

ウクライナの加盟交渉を巡っては、従来からハンガリーのオルバン首相が反対を表明していた。

EUの外交官や当局者らによると、承認を目指し、ドイツのショルツ首相がオルバン首相の退席を提案。オルバン首相は、他のEU加盟国首脳らがウクライナの加盟交渉開始を巡る採決を進めることを承知した上で、議場から退出することに同意した。

オルバン首相はフェイスブックへの投稿で「間違った決定」に参加したくないとして、採決に加わらなかったことを明らかにした。「ハンガリーの立場は明らかだ。ウクライナにはわれわれがEU加盟を巡る交渉を開始する用意はできていない」とし、交渉開始の決定は「非合理的」かつ「不適切」という認識を示した。

その上で「加盟26カ国がこの決定を下すべきだと強く主張したため、ハンガリーは26カ国がそう決めたのであればそれぞれの道を歩むべきだと決断した」と述べた。

アイルランドのバラッカー首相は記者団に対し「オルバン首相は自らの見解を非常に強く主張した。この決定に同意せず、意見も変えていないが、基本的に拒否権を行使しないことを決めた」と語った。

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「戦略的な決断で、EU統合の歴史に刻まれる日」と歓迎した。

また、EUのミシェル大統領は、ウクライナに加え、モルドバとの交渉を開始する方針でも合意したと明らかにした。

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