【ソウル時事】韓国軍によると、北朝鮮は17日午後10時38分(日本時間同)ごろ、平壌から日本海に短距離弾道ミサイルと推定される1発を発射した。日本の防衛省も、北朝鮮から弾道ミサイルが発射されたと明らかにした。日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したもよう。
韓国軍によれば、ミサイルは約570キロ飛行した。一方、防衛省は最高高度が約50キロで、約400キロ飛んだとみている。
北朝鮮国防省は発射直後に報道官談話を発表。米韓両政府が核戦略の企画や運用に関する指針作成に合意した15日の「核協議グループ(NCG)」開催を非難。米原子力潜水艦「ミズーリ」の韓国南東部・釜山への17日の入港にも反発を示した。
日米韓3カ国は、北朝鮮の弾道ミサイル発射情報を即時共有するシステムの運用を近く開始する。今回のミサイル発射は、そうした日米韓の連携の動きに対抗した可能性もある。
北朝鮮国防省報道官は談話で「米国と大韓民国軍部のやくざが、年末を核戦争のリハーサルで締めくくろうとしている。挑発的行為を絶対に座視することはない」と主張。「敵対勢力のいかなる武力使用の企図も、先制的で壊滅的な対応に直面する」と警告した。
岸田文雄首相は、情報収集・分析や安全確認の徹底などを指示。日本政府は、弾道ミサイル発射が「(国連)安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題」だと非難し、北朝鮮に厳重に抗議したことを明らかにした。
北朝鮮は11月21日に軍事偵察衛星を打ち上げた。同22日にも弾道ミサイルを発射したが、失敗したとみられる。