▽ガザ南部と中部、戦闘激化で医療提供が崩壊の恐れ=WHO当局者 <ロイター日本語版>2024年1月10日午前 2:41 GMT+9
[ジュネーブ 9日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)の当局者は9日、戦闘が激化しているパレスチナ自治区ガザの南部と中部での医療提供が崩壊する恐れがあると懸念を表明した。命の危険にさらされた数百人の医療スタッフと患者が病院を脱出したことが背景にある。
昨年10月7日のイスラム組織ハマスからの攻撃に対抗するイスラエル軍の爆撃が数カ月続き、ガザで機能している病院はわずか約3分の1となった。一部は部分的にしか機能していない。戦闘は中部と南部で激化しており、引き続き機能している病院をさらに圧迫している。
ガザ地区でWHOの救急医療チームのコーディネーターを務めるショーン・ケイシー氏はスイス・ジュネーブでの記者会見で「アルアクサ病院の周辺が実に心配で、欧州ガザ病院とナセル(病院)の非常に近くでも戦闘が激化している」とし、「これらの医療施設を失うわけにはいかない。絶対に守らなければならない」と訴えた。
ケーシー氏によると、戦闘が続いているのを受けて南部の都市ハンユニスにある病院へ9日に命懸けで向かった患者もいる。ガザ中部のアルアクサを2日前に訪れた際はスタッフの7割が任務を離れ、同日夜には脱出可能な数百人の患者も続いた。
ケーシー氏は「医療システムが急速に崩壊するのを目の当たりにしている」と指摘した。
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